貯蓄型生命保険を上手に活用する方法~応用編(ドル建て終身保険)~

金融

先日、以下の記事にて貯蓄型の生命保険の活用方法について解説しましたが、応用編としてドル建ての貯蓄型終身保険についてご紹介します。

ドル建て終身保険~???
貯蓄型生命保険の仕組みをやっと理解したのに、、、難しそうだワン!

ドル建ての保険は、場合によっては円建ての終身保険よりもメリットがあるので、確りと仕組みを理解すればとても効率良く資金を運用することが出来るのよ!

ドル建て終身保険について

ドル建て終身保険とは、「保険料をドルで支払い、解約時の返戻金をドルで受取る保険」です。

基本的な保険の仕組みはドル建ても円建ても変わりません。

然し乍ら、メリットが大きい商品なので、円建てと併用して加入するのがお勧めとなります。

詳しく解説していきます。

ドル建て終身保険のメリット

保険料が円建てと比べて割安

2016年の日銀のマイナス金利施策により、円に比べてドルの方が金利が高いため、予定利率が高くなっていることから、ドル建て終身保険の方が保険料が割安です。

通常、保険会社は契約者から受け取った保険料を運用しますが、保険会社は受け取った保険料をどれくらいの利回りで運用できるかを予測して保険料を設定しています。

金利が高いドル建ての方が、円建てに比べ高い利回りで運用できるので、保険料が割安になるということです。

資産を分散できる

今でこそ円は安定資産として見られていますが、数年後、数十年後はどうなるか分かりません。

世界的に見ればドルの方がメジャーな通貨でもあります。

国内の多くの富裕層や資産家も自己資産のなかにドル資産を組み入れています。

そういった意味でもドル建てで保険に入るのも一つの手段と言えます。

為替差益のメリットを享受出来る

為替相場の変動により、予定より多くの保険金を受け取れる可能性があります。

例えば、保険金10万ドルの終身保険の例で考えてみましょう。

1ドル=100円の場合、受け取れる保険金は1,000万円ですが、円安となり1ドル=110円になった場合、1,100万円の保険金を受け取ることが出来るのです。

また、受け取るタイミングを円安になるまで据え置きにさせ、円安になったタイミングで保険金を受け取るというのも終身保険では対応可能です。

契約者貸付制度を利用すればドル建てで借入可能

契約者貸付制度のご説明は以下の記事をご参照。

借入金利は通常の円建てより1%~2%くらい上乗せされるイメージですが、ドルで資金を調達できるのは大きなメリットです。

例えば、円安時に契約者貸付制度を利用してドルを調達して、円高時に借入を円で返済することで為替差益のメリットを享受することが出来ます。ドルで調達して、円で返済するというがポイントです。

以下、実際に私が契約者貸付制度でドル建て借入を行った実例です。

ドル建て終身保険にて契約者貸付制度を利用する場合、借入枠はドルとなりますので、円安であればより多くの金額を借りれることが出来ます。一方、返済時は円での返済なので、円高であれば返済金額は少なくて済みます。

この差額分(上図でいうと11,883円)が為替差益のメリットとなります。借入枠が5千ドルしかなかったので大した金額ではなかったですが、より多くの金額を借入すれば、それだけ大きな為替差益を享受できます。

為替が一時的に円安に振れた場合、是非このスキームを活用することをお勧めします。

ドル建て終身保険のデメリット

為替変動により為替差損が出る場合がある

これはメリットとの裏返しですが、当然、円高の時に保険金を受け取った場合は為替差損の影響を受ける可能性があります。

例えば、先ほどの保険金10万ドルの終身保険の例で考えてみましょう。

1ドル=100円の場合、受け取れる保険金は1,000万円ですが、円高となり1ドル=90円になった場合、900万円の保険金を受け取りとなり、100万円の損失となります。

その場合は円に換えずドルで持っていたり、保険受け取りの時期をずらすなどの対応が考えられます。

保険料や保険金が変動するため資金計画が立てずらい

前述の通り、為替変動により毎月支払う保険料や将来の保険金の金額が変動するため、資金の計画が立てずらい側面があります。従って全ての資産をドル建てにするのはお勧めはしません。

ドル建て保険は余裕資金のうちから加入するくらいが良いでしょう。

まとめ

ドル建て保険は為替の変動により安定感に欠けるというデメリットはありますが、資産分散の観点からドル資産を持ちたい方や、余裕資金があり運用先を探している方にはお勧めです。

また、契約者貸付制度を利用した為替差益メリットを享受する方法は、為替が急激に変動している局面であれば、高い確率で為替差益を得ることができます。

こういった視点で是非、保険の新規加入や保険の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。

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